四人の夫人
ある村に四人の夫人を持つ男がいました。
第一夫人は男にとって最も大切な夫人です。
美しい服を着せ、美味しい物を食べさせ、どこに行くのも一緒です。
第二夫人は人と争って得た大切な夫人です。
誰かに狙われるかも知れないので家では鍵をかけて守っています。
第三夫人は気ままな関係です。
一緒にいると飽きてしまいますが、離れていると会いたくなります。
第四夫人は居るのか居ないのか、男にとってあまり気に留めない夫人です。
ある時、男は遠い処に旅に出ることになりました。
男は四人の夫人に一緒に来てくれるように頼みました。
ところが第一夫人は「私はとても大切してもらいましたが、あなたと一緒には行けません。」と断ります。
第二夫人も「私はそんな遠くまで行けません。私は誰か他の人と暮らします。」と断ります。
第三夫人は「私も一緒には行けませんが、村はずれの川まで見送ります。」と言われました。
最後の第四夫人は「私はあなたの処に嫁いでからいつも一緒と決めていました。どこまでもついていきます。」と言ってくれました。男は第四夫人と旅立ちました。
おわり
男:この私です。遠い村への旅立ち:私の死です。
第一夫人:私の肉体です。どこに行くのもいつも一緒です。
第二夫人:私の財産です。大切に鍵をかけて守っています。
第三夫人:家族・友人です。火葬場まで見送ってくれます。
第四夫人:ご先祖・仏・阿弥陀様です。私が元気な時にはこの方々の思い・願いに気づけません。しかしいつもこの私の事を心配し、願っていてくださいます。死に際してまでも!


